美の位相(トポロジー)

目次

〈『美の位相』目次〉

〈『美の位相』内容〉

〈『美の位相』目次〉

第一章 美と連想の共有
一 定義的表現と比喩的表現
二 連想の資源
三 響合とその分類

第二章 詩歌と響合
一 古代詩歌の響合
① 会意文字
② 対句
③ 枕詞・縁語
④ 和漢朗詠集
二 中世詩歌の響合
① 定家と響合
② 連歌の寄合
③ 俳諧の取合せ・疎句
三 近現代詩歌の響合
① 共時
② 二物衝撃

第三章 美術と響合
一 古代 中世美術の響合
① アトリビュート(Attribute)
② 玉虫厨子
③ 詩画軸
④ 同朋衆と三幅飾り
二 近代美術の響合
① 共時(マネ〈草上の昼食〉について)
② バルール
③ コラージュ
三 現代美術に於ける場の響合
① ダダイズム
② シュールレアリズム
③ ポップアート
④ コンセプチュアル アート

第四章 茶の湯と響合
一 連歌と茶の湯
二 道具組(意味の響合)
三 道具組(質の響合)
四 茶の湯に於ける場の響合
① 見立て
② 銘
五 和漢の境
① 心の文
② その他の珠光の言葉
③ 珠光の正体

第五章 工芸考
一 絵画空間と工芸空間
二 第二芸術論について

〈『美の位相』内容〉

 人類にとって美しいと感じるものは個人的な好みはあっても、人類に共通する感性が認 められます。すぐれた芸術作品は誰の眼にも共感をよぶからです。人類には生まれながら にして、共通の美的感覚が備わっているのです。その感性はヒト以前から生殖機能として 備わっていたようです。求愛行動などその例です。
 またヒトは生命の起源から今日に至るまでの生命体験が記憶されているようです。これ が連想の資源となって美的表現に一層の共感をもたらすのです。この二つの財産は人類に 共通の志向をもたらし、社会形成に大きな役割を果たしてきました。
 ヒトは当初から自然(外界)に対して美を感じていたわけではなく。畏怖→畏敬→ 美、と 歴史的に意識の変遷を経てきました。それに伴い、畏怖には呪術、畏敬には信仰をもって 対処し、志向を共有し社会を形成するために創造活動をしてきました。そして窮屈なほど 社会形成を達成した近代、美は芸術の為の芸術として社会からも政治経済からも独立した 自由な存在であることを目指しましたが...。といった内容です。
 目次にある「響合」とは「様々な事象から独立した複数の素材を取り出し、素材の意味 や形質を変容させることなく、一つの作品の中に要素として取り込み、要素同士の響き合 いにより新たな表現を生みだす手法」のことです。例えば、会意文字(人+木=休)、アトリ ビュート(女+林檎=イブ)、俳諧の取合せ、茶の湯の道具組などその例です。古代から現 代まで、文学から造形芸術に至るまで幅広い分野で見られる手法です。身近な例では服装 のコーディネートも響合に含まれるでしょう。表現内容も古代では慣用的に用い、中世で は秩序を重んじ調和を求めますが、近代には響合をなす二つの要素は...。是非、お読みく ださい。

* 連想の資源分類表